ドイツ連邦統計局と連邦経済省が7日発表した5月の鉱工業生産指数(2015年=100)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で97.8(暫定値)となり、前月を0.2%上回った。増加は2カ月連続。同指数はロシアのウクライナ進攻を受けて3月に急低下したものの、その後は緩やかな回復が続いている。ただ、この傾向がいつまで続くかは不透明で、経済省は「戦争に伴う依然として高い不透明性と、ロシア産ガスの大規模な供給停止リスクは今後数カ月、多くの企業にとって極めて大きな試練となる」との見方を示した。
製造業の生産指数は0.6%増加し、2カ月連続で上昇した。投資財が2.2%増えて全体をけん引。中間財は0.4%減少した。消費財は0.9%減となり、3カ月連続で落ち込んだ。
製造業の各業界をみると、自動車・自動車部品は5.9%増と大幅に拡大した。機械(1.4%増)と金属製品(0.9%増)も前月を上回っている。製薬は4.3%減、化学は2.7%減、製紙は2.5%減、食品・飼料は2.2%減と振るわなかった。
エネルギーは5.8%減少した。前月は6.5%増えており、その反動が出たもようだ。
建設は0.4%増となり、3カ月ぶりに拡大した。
4月の鉱工業生産は当初の0.7%増から1.3%増へと上方修正された。
自動車・自動車部品業界の算出方法は今回の統計から改められた。車両の電動化を踏まえた措置と説明している。