タイヤ大手の独コンチネンタルがロシアからの撤退を検討している。同社は6日、「わが社は現在の展開を極めて正確に見守っており、実行可能なあらゆる選択肢を継続的に評価している」と指摘。選択肢のなかに撤退が含まれていることを明らかにした。競合の仏ミシュランとフィンランドのノキアンタイヤは6月末、ロシアからの撤退方針を打ち出しており、コンチネンタルも追随する可能性が出てきた。ロイター通信が報じた。
同社は3月初旬、ロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシア事業を全面停止したが、4月中旬なってモスクワ南西部のカルーガにあるタイヤ工場で生産を再開した。広報担当者は生産再開の理由を当時、同国の需要に応えないと現地の従業員と経営陣が刑法上の罰を受ける恐れがあるためだと説明。生産はニーズに応じた一時的な措置で、稼働率は従来の水準を大幅に下回っていると述べた。
ここにきてタイヤ大手がロシア撤退に動き出した背景には、ウクライナでの戦争を理由にロシアから撤退しようとする外資の資産を没収し、刑法上の制裁を科す法案の作成が行われていることあるもようだ。
コンチネンタルは同国から撤退しても業績見通しに影響はないとしている。