鉄鋼系複合企業の独ティッセンクルップは11日、鉄鋼生産の脱炭素化に向け英エネルギー大手bpと長期戦略協業の基本合意を締結したと発表した。ブルー水素とグリーン水素、再生可能エネルギー電力の供給を受け、二酸化炭素(CO2)の排出量を削減する。まずはプロジェクトを実行できるかどうかを調査する。
ティッセンクルップが鉄鋼事業で排出するCO2の量はドイツ全体の2.5%を占める。主にデュースブルク工場の高炉で排出されている。同社はコークスの代わりに水素を高炉の還元剤に投入する水素還元製鉄を2025年から同工場で開始することを計画中。その水素をbpから調達するもようだ。
水素は製法に応じて2種類に分類される。1つは再生エネを用いて水を電気分解して製造するものでグリーン水素と呼ばれる。
もう1つは化石燃料から水素を取り出すもので、水素生産に際してCO2が排出される。この製法で作られた水素のうち、CO2を大気中に放出するものを「グレー水素」、CO2を有効利用ないし貯留するものをブルー水素と呼ぶ。