ルフトハンザ―1万人を新規採用、フライトの混乱受け―

航空大手の独ルフトハンザは4日の決算発表で従業員数の大幅拡大方針を表明した。コロナ禍で大規模な人員削減を実施した結果、旅客需要の回復に対応できず、欠航や運休など大きな支障が出ていることを受けた措置。今後1年半で約1万人を新規採用する。カルステン・シュポーア社長は「フライト運営を安定させなければならない」と述べた。

コロナ規制の大幅緩和を受け、今夏は観光旅行需要が急増している。だが、航空会社と空港はコロナ禍で雇用を大幅に削減したことから、旅客需要の急拡大に対応できず、空の便の運航と空港の運営に大きなトラブルが出ている。ルフトハンザは7-9月期の稼働能力を当初計画のコロナ禍前比85%から80%へと引き下げた。従業員数を拡大することで、需要に対応できるようにするとともに、顧客にしわ寄せが出ないようにする考えだ。

2022年4-6月期(第2四半期)決算の営業損益(調整済みベースのEBIT)は3億9,300万ユーロの黒字となり、前年同期の赤字(8億2,700万ユーロ)から大幅に改善した。貨物部門が好調だったほか、旅客部門も業績が好転。欠航や運行遅延で乗客に計1億5,800万ユーロの補償金を支払ったものの、稼働率の向上とフライト料金上昇(平均24%増)の効果で十二分に相殺された。

売上高は84億6,200万ユーロとなり、164%増加した。売上高営業利益率は前年同期のマイナス25.8%からプラス4.6%へと上昇している。純利益は2億5,900万ユーロで、前年同期の赤字(7億5,600万ユーロ)から黒字転換した。

同社は好業績を受け、22年12月期の営業利益が5億ユーロを超えるとの予測を発表した。6月中間期は1億9,800万ユーロの赤字だったものの、第2四半期に黒字転換したうえ、今後も好業績が見込まれることから12月通期で黒字を確保できるとみている。8~12月の予約水準はコロナ禍前の83%に達しているという。

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