エネルギー大手の独ユニパーは17日発表の2022年6月中間期決算で124億1,800万ユーロの純赤字を計上した。ロシア産天然ガスの供給が大幅に削減され、割高なスポット市場などで代替調達を強いられていることが響いた格好で、赤字幅は前年同期の2,000万ユーロから大きく膨らんだ。経営を維持するため国から総額150億ユーロの支援を受ける見通しだ。
ユニパーはドイツ最大の天然ガス輸入会社。ガスの大半をロシア国営大手のガスプロムから長期契約に基づいて調達してきた。だが、ガスプロムからの供給が6月以降、一方的に大幅削減されていることから、同社はスポット市場などで割高なガスを購入。これが財務を圧迫している。損失額は1日当たり6,000万ユーロに達する。調達価格高騰分の迅速な転嫁が解禁される10月までは代替調達に伴い損失が膨らむことから、今回の決算では65億ユーロの引当金を計上した。このほか、ガス管「ノルドストリーム2」向け融資とロシアでの発電事業で計27億ユーロの減損処理を行った。
これらの費用を除いた調整済みベースでは純赤字が3億5,900万ユーロだった。
ユニパーは先行き見通しの不透明感を理由に22年12月期の業績予測を発表していない。黒字転換は24年以降を見込んでいる。