独エネルギー大手のエーオンとユニパーは23日、米企業エバーウインド・フューエルズがカナダで生産するグリーンアンモニアを輸入することで基本合意したとそれぞれ発表した。ドイツのオーラフ・ショルツ首相は21日からカナダを訪問しており、これに合わせて趣意書に調印した。
エバーウインドはグリーン水素、グリーンアンモニアの製造に向け現在、カナダ東部のノバスコシア州ポイント・タッパーで工場を建設している。2025年から商業生産を開始する計画。グリーン水素を生産するための電力は風力発電で賄う。エーオンとユニパーは同工場で製造するアンモニアを25年からそれぞれ年50万トン取得する。
アンモニアは水素と窒素の化学反応で合成される。水素と違い常温での取り扱いやすいことから、船舶などでの輸送に適している。
ドイツ政府はロシアに強く依存してきたこれまでのエネルギー輸入体制を改め、調達先の多様化を図る考え。天然ガス資源が潤沢で、グリーン水素の生産にも適した民主主義国カナダに強い期待を寄せている。
エーオンのパトリック・ラマース最高執行責任者(COO)は「われわれはエネルギー供給を脱炭素化、多様化するだけではない。エネルギーの安定供給も高めるのだ。価値を共有し、民主主義、法治国家、社会的市場経済を支持する国々とともに。この歩みは以前にも増して重要になっている」と述べた。