自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が16日発表した8月のグループ新車販売台数は70万100台となり、前年同月を12.7%上回った。増加は昨年6月以来で14カ月ぶり。比較対象の2021年8月は販売水準が極めて低かったという事情がある。今年8月は20年8月に比べると11.6%、コロナ禍前の19年8月に比べると17.5%少ない。
販売台数を地域別でみると、最大市場の中国が24.8%増の29万7,300台となり、全体が強く押し上げられた。南米は28.2%増の5万2,100台と前月に引き続き伸び率が最も大きかった。このほか、北米(15.2%増の7万6,700台)、西欧(7.8%増の19万1,500台)、中国を除くアジア太平洋(6.6%増の2万7,200台)が増加。中東欧(32.2%減の3万1,600台)と中東・北アフリカ(8.9%減の2万3,800台)は減少した。
ブランド・グループ別でみると、大衆車(ブランド・グループ・ボリューム)は11.8%増えて51万7,400台となった。主力のVWブランド乗用車が17.5%増の41万2,200台と大幅に伸びたことが大きい。シュコダは1.4%増、セアト/クプラは22.0%減、VWブランド商用車は1.8%減だった。
高級車(ブランド・グループ・プレミアム)は11.3%増の13万2,400台で、主力のアウディは11.4%増の13万500台。ポルシェを対象とするスポーツ車(ブランド・グループ・スポーツ)は26.7%増の2万3,900台だった。
商用車子会社トレイトンの販売台数は2万6,300台で、前年同期を27.6%上回った。ナビスターが71.8%増の8,000台と全体をけん引。MANは16.3%増の6,900台、VWトラック・アンド・バスは15.2%増の5,200台、スカニアは12.7%増の6,300台だった。
1~8月のグループ販売台数は530万600台で、前年同期を16.2%下回った。中国を除くアジア太平洋が1.2%増えた以外はすべて減少。減少幅は西欧で17.1%、中東欧で39.8%、北米で13.2%、南米で17.1%、中国で11.5%、中東・アフリカで26.6%に上った。
ブランド・グループ別では商用車のトレイトン(10.1%増)を除いてすべて減少した。大衆車は18.1%減、高級車は15.3%減、スポーツ車は0.7%減だった。