コンチネンタルがホースの検査結果を偽装

自動車・産業部品大手コンチネンタルのホース・配管部門コンチテックで複数の種類の品質不良製品を出荷していたことが明らかになった。カーエアコン用ホースの検査結果を偽装していたことが週刊誌『シュピーゲル』の23日付報道で発覚。26日には産業用ホースでも品質検査が適切に行われていなかった事実を同社が公表した。

カーエアコン用ホースには不純物が含まれていた。製品は2006年以降、BMW、メルセデスベンツ、フォルクスワーゲン(VW)、ルノーのほか、アジアの自動車メーカーに供給されていた。同ホースを搭載する車両は100万台を超えるという。

検査結果の偽装はルーマニアのティミショアラ工場を中心に行われていた。エアコンの機能にほとんど支障が出ないことから、リコール(無料の回収・修理)は不要とされている。

同誌によると、コンチネンタルはカーエアコン用ホースの不正の事実を昨年末の内部告発でつかんだもようだ。これを受けあらゆる種類のホースに調査を拡大したところ、産業用製品でも検査が適切に行われていなかったことが分かったという。同社は検査が基準に従い適切に行われていることが確認されるまで、独コルバッハ工場で行っている当該製品の生産を停止する意向だ。同ホースは機械、化学、飲料メーカーに供給している。これまでのところ不具合の報告はないという。

コンチネンタルではVWのディーゼル車排ガス不正問題に絡んでエルマール・デーゲンハルト前社長とヴォルフガング・シェーファー前取締役(財務担当)が捜査対象となっていることが昨年秋に分かった。これを受け、経営陣はコンプライアンス強化に取り組んでいる。今回新たに不正が発覚したことで、企業イメージの傷が深まる格好となった。

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