9月インフレ率10%に上昇

ドイツ連邦統計局が9月29日発表した同月の消費者物価指数(速報値)は前年同月を10.0%上回った。メディア報道によると、インフレ率は1951年12月(10.5%)以来の高水準。コスト上昇を川下に転嫁する企業が増えているほか、エネルギー価格高騰に伴う家計負担の軽減策が8月末で終了したことが響いた格好だ。ユーロ安ドル高の進展、川上の生産者物価の記録更新(8月上昇率45.8%)など、インフレが鎮静化する兆しは出ていない。

エネルギー価格は43.9%上昇し、上げ幅は前月の同35.6%から拡大した。自動車燃料税の時限引き下げが終了したことが反映されているもよう。食料品は前月を1.9ポイント上回る18.7%に達した。

物価の構成比重が53%に上るサービスは前月の2.2%から3.6%へと急拡大した。全国の地域公共交通機関を月9ユーロで利用できる定期券が8月末で終了したことが大きい。

消費者物価指数は前月比でも1.9%増と大幅に上昇した。

欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が10.9%、前月比が2.2%に上った。

物価は欧州全域で急上昇しており、欧州中央銀行(ECB)は7月に11年ぶりの利上げを行い、主要政策金利を0.5ポイント引き上げ0.5%とした。9月中旬にはユーロ導入後最大の利上げ(0.75%)を行い1.25%に設定している。10月27日の定例政策理事会でさらなる利上げを行うのはほぼ確実。市場の関心は上げ幅がどの程度になるかに向けられている。スロバキア中銀のピーター・カジミール総裁は28日、0.75%が妥当との見方を示した。

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