ドイツ連邦統計局と連邦経済省が7日発表した8月の鉱工業生産指数(2015年=100)は物価・季節・営業日数調整後の実質で97.6(暫定値)となり、前月を0.8%下回った。減少は3月以来で5カ月ぶり。ウクライナ戦争の先行き不透明感やロシア産天然ガスの実質的な供給停止が響いた。
8月の指数を部門別でみると、エネルギー業は6.1%減と大幅に落ち込んだ。建設業も2.1%低下している。
製造業は0.1%減となり、2カ月連続で低下した。中間財が2.4%後退し、足を強く引っ張った格好だ。投資財は1.2%、消費財は1.8%増えた。
製造業の各業界をみると、構成比重の大きい自動車・自動車部品と機械はそれぞれ2.8%、2.2%増加した。一方、エネルギー集約型産業は2.1%減と振るわず、化学品は3.1%、ガラス・ガラス製品・セラミックは2.8%、コークス・石油製品は4.5%落ち込んだ。統計局によると、コークス・石油製品の減少幅が大きいのはライン川などの水位低下で輸送が滞ったためという。
エネルギー集約型産業では生産縮小が続いており、ウクライナ戦争が始まった2月からの下落幅は前月の6.9%から8.6%へと拡大した。
7月の鉱工業生産は当初の0.3%減から横ばいへと上方修正された。