「屋内マスク着用義務の導入を」、感染急増受け保健相が州に呼びかけ

ドイツのカール・ラウターバッハ保健相は12日、小売店など不特定多数の人が出入りする屋内でのマスク着用義務を導入するよう州に促した。新型コロナウイルスの感染者数が大幅に増え、高水準に達しているため。一部の州はすでに導入を検討・予定している。

ロベルト・コッホ研究所(RKI)が13日発表した人口10万人当たりの直近7日間の新規感染者数は793.8人に上った。前日の799.9人からやや減少したものの、1週間前の6日(462.4人)からは72%増加。前月同日(229.9人)に比べると約3.5倍に拡大した。感染してもPCR検査を受けない人が多いことから、実際の感染者数は統計値を大幅に上回る。

医療のひっ迫は今のところ起きていない。ただ、人口10万人当たりの直近7日間の新規入院患者数(新型コロナ感染者)は12.2人となり、前週同日(7.8人)から58%増加した。前月同日は3.3人にとどまっていた。

新型コロナ感染者の集中治療病床使用率も急上昇中だ。前月同日が3.2%だったのに対し、前週同日は6.3%に倍増。13日には8.0%となった。

独病院協会(DKG)のゲラルト・ガス会長は感染が医療スタッフにも広がっていることを踏まえ、今後数週間で緊急性の低い手術を延期したり稼働病床数が減少する見通しを明らかにした。

感染状況の悪化を受け、ベルリン州のウルリケ・ゴーテ保健相は12日、店舗や博物館などでのマスク着用義務を次週(10月17~23日)にも導入する考えを表明した。隣接するブランデンブルク州も同様の措置を検討している。

人口10万人当たりの新規感染者数は現在、ザールラント州で最も多く、13日時点で1,573.3人に達した。同入院患者数は30.64人とダントツで多い。同州のマグヌス・ユング保健相は12日、店舗などでのマスク着用義務を導入する考えは現時点でないとしながらも、市民に自主的な着用を呼びかけた。感染状況が改善しない場合は義務化する可能性を排除していない。

ドイツではこれまで、コロナ規制を一部の州が強化ないし緩和すると、他の州が相次いで追随するというドミノ現象が何度も起きた。今回も同様の展開になる可能性がある。

上部へスクロール