高級乗用車大手の独BMWは15日、二酸化炭素(CO2)の排出量を削減した低炭素鋼を米国と中国で調達すると発表した。欧州ではすでに低炭素鋼の調達で鉄鋼メーカーと合意済み。米中でも同様の契約を結んだことで、同社が用いる鉄鋼の3分の1以上が2026年以降、低炭素鋼となる。カーボンフットプリントは年およそ90万トン削減される計算だ。
米国では鉄鋼大手スティール・ダイナミクス(SD)、ビッグ・リバー・スティールの2社と契約を結んだ。両社は鉄鋼生産に用いる電力を再生可能エネルギーへと切り替え、製品をBMWに供給。BMWはスパータンバーグ工場(米)とサンルイスポトシ工場(メキシコ)で車体生産に投入する。
中国では河北鋼鉄集団(HBIS)と成約した。23年から低炭素鋼の供給を受ける。HBISは26年からは水素を用いた生産法を採用し、CO2排出量を一段と引き下げる。
欧州では独ザルツギターとウェーデンのスタートアップ企業H2グリーン・スチール(H2GS)から低炭素鋼を調達することですでに合意している。H2GSは従来品に比べCO2排出量が95%少ない鉄鋼を25年から製造する計画だ。
BMWによると、同社の中型電気自動車(BEV)のカーボンフットプリントに占める鉄鋼の割合は約20%に上る。電池セル、アルミニウムに次いで3番目に多い。