ドイツ連邦統計局が25日発表した第3四半期(7~9月)の国内総生産(GDP)は物価・季節・営業日数調整後の実質で107.9(2015年=100)となり、前期を0.4%上回った。個人消費(民間最終消費支出)が大きく伸びて全体をけん引。GDPはコロナ禍直前の19年第4四半期(107.5)を初めて凌駕した。第3四半期のGDP成長率は速報値の0.3%から上方修正された。
成長率を項目別でみると、個人消費は1.0%増えた。エネルギー価格の高騰と高インフレにもかかわらず消費が伸びたのは、コロナ規制のほぼ全面的な解除を受けて旅行需要などが大幅に拡大したためだ。政府最終消費支出は横ばいにとどまった。
総固定資本形成は0.2%伸びた。設備投資が2.7%、その他の投資が1.0%増加。建設投資は1.4%減となり、2四半期連続で落ち込んだ。内需全体では0.5%の伸びとなった。
輸出は2.0%増加した。輸入が2.4%増えたことから、GDP成長率(0.4%)に対する外需(輸出-輸入)の寄与度はマイナス0.1ポイントとなり、経済成長の足を引っ張った。
粗付加価値は前期比1.4%増となり、2四半期ぶりに拡大した。製造業が0.9%、流通・運輸・宿泊・飲食業が3.3%、金融・保険業が1.6%の幅で増加している。製造では化学、金属などエネルギー集約型産業が落ち込んだものの、機械や自動車が増加し、全体が押し上げられた。
建設は4.2%減少し、2四半期連続で低下した。建設コストの高騰と住宅金利の上昇が響いた格好で、不動産も0.4%落ち込んだ。