重要インフラを破壊工作から守るための法原案をドイツ政府が7日の閣議で了承した。同国初のインフラ保護法案となる。ナンシー・フェーザー内相は、ウクライナに対するロシアの侵略戦争を受けてドイツの安全保障環境は変化したと指摘。ドイツが危機対応力を高めるためには重要インフラの保護を最優先しなければならないと狙いを語った。法案を作成・成立させることで、年内に成立見通しの欧州連合(EU)「重要事業体レジリエンス(CER)指令案」を国内法に転換することになる。
法原案には◇重要インフラを明確かつ体系的に特定する◇国と重要インフラの運営事業者は定期的にリスク評価を実施し、サボタージュの危険性への理解を高める◇重要インフラ事業者の最低基準を設定する◇サイバーセキュリティ分野の通報システムを補完するインフラ障害の通報センターを設置し、インフラが持つ弱点を把握・除去できるようにする――などの方針が記されている。
フェーザー氏は「重要インフラの運営事業者は保護措置を強化しなければならない。システムは機能不全からより良く保護されなければならない。脆弱性を低減するためにはより強固なフォールバックとバックアップシステムが必要だ」と強調した。