インフレ率低下も高水準は続く見通し

連邦統計局が13日発表した11月のインフレ率(CPI)は前年同月比10.0%となり、東西ドイツ統一後の最高を記録した前月を0.4ポイント下回った。水準自体は依然として極めて高い。統計局のゲオルク・ティール局長は、物価の高騰がエネルギー以外の分野にも広がっているとして、インフレ圧力が近い将来、大幅に弱まる可能性は低いとの見方を示唆した。

物価を最も強く押し上げたのはこれまで同業エネルギーで、の上昇率は38.7%(前月43.0%)に達した。家庭用エネルギー(光熱費)は53.2%で、天然ガスは112.2%に達した。灯油は55.0%、地域熱は36.6%、電力は27.1%となっている。自動車燃料は14.6%で、前月の22.3%から大幅に低下した。軽油が26.8%に上ったのに対し、ハイオクガソリンは9.7%にとどまった。

エネルギーを除いたインフレ率は6.6%で、前月(6.5%)をやや上回った。

食料品の上げ幅は前月を0.8ポイント上回る21.1%となり、9カ月連続で拡大した。食用油脂は41.5%、乳製品・卵は34.0%、パン・穀物製品は21.1%、野菜は20.1%だった。エネルギーと食料品を除いた基礎インフレ率は前月と同じ5.0%。

耐久消費財は6.6%で、自動車は9.1%に上った。

サービスの上げ幅は横ばいの3.6%だった。上昇率が大きかったのは外食(9.8%)、理容・美容・ボディケア(7.5%)、自動車修理・メンテナンス(7.4%)。電気通信は1.3%低下した。

前月比のインフレ率はマイナス0.5%となった。エネルギーが1.2%下落。パック旅行は季節柄25.3%下がった。

欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が11.3%、前月比が0.0%だった。

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