建設業界で長年続いた好況は終わったもようだ。建設コスト、金利、生活費の急速な上昇を受けて需要が後退しているためで、建設業界団体ZDBのラインハルト・クヴァスト会長は6日の記者会見で、「建設業界の景気は失速した」と明言した。
ZDBによると、今年の業界売上高は1,590億ユーロとなる見通し。前年を9.0%上回るものの、これは物価の高騰によるもので、物価を加味した実質ベースでは5.5%減少する。これまで景気をけん引してきた住宅部門は実質4.5%減となる。住宅の建設許可件数がすでに減少していることから、完工件数は今年の約28万件から来年は約24万5,000件へと12.5%縮小。再来年はさらに落ち込むとZDBはみている。
商工業施設部門の売上高も実質5.0%減少する。新規受注が減っていることから、来年は減少幅が6.0%に拡大する見通しだ。
公共建設部門も今年が実質7.7%減、来年が4.5%減となる見通し。最大の発注者である市町村で人件費などの伸びが税収の伸びを下回ることから先行き見通しは暗いという。
加盟企業を対象に実施したアンケート調査では今後6カ月の見通しを「悪い」とする回答が60%を超えた。住宅部門では74%と特に高い。