高級乗用車大手の独メルセデスベンツは14日、次世代電気自動車(BEV)向け電動駆動装置を世界のどの工場で生産するかを決定したと発表した。次世代BEVの生産拠点は今夏に決定しており、今回はその中核部品である駆動装置の生産体制を明らかにした。
メルセデスは同社のモデルを最高級の「トップエンド・ラグジャリー」、販売規模が最も多い「コア・ラグジャリー」、同社のなかでは価格が最も低い「エントリー・ラグジャリー」の3分野に区分。この区分に基づいて次世代BEVプラットホーム3種類を開発する。トップエンド・ラグジャリーのプラットホームは「AMG.EA」、コア・ラグジャリーは同「MB.EA」、エントリー・ラグジャリーは「MMA」と命名されている。
同社は6月、AMG.EAベースの車両を西南ドイツのジンデルフィンゲン工場、MB.EAベースのモデルを北ドイツのブレーメンとハンガリー中部のケチュケメート工場、MMAプラットホーム車をケチュケメートと西南ドイツのラシュタット工場で生産することを決定した。生産開始年は2024年ないし25年を予定している。
今回の電動駆動装置分野の決定では、◇MMA、MB.EA車向けの電池を独カメンツ、ブリュール、および北京で生産する◇MMA、MB.EA車向けの電気駆動ユニットを独ウンターチュルクハイム、ルーマニアのセベシュ、北京で24年から生産する◇eアクスルの組み立てを独ハンブルク、ウンターチュルクハイムで行う――が決まった。
電池については独東部のケレダにあるエンジン工場でも生産する方向だ。地元チューリンゲン州から補助金を受けることが前提条件となる。州政府とはすでに覚書を交わした。
ベルリン工場ではAMG.EAプラットホーム車向けの高性能モーターを製造することがすでに決まっている。
今回の決定に絡んでメルセデスはパワートレイン分野の欧州工場に合わせて数十億ユーロを投資する計画だ。