ドイツのオーラフ・ショルツ首相(社会民主党=SPD)は17日、ニーダーザクセン州のボリス・ピストリウス内相(同)を次期国防相に指名した。クリスティーネ・ランプレヒト国防相(同)の辞意表明を受けた措置。大統領による任命を経て19日に就任する。
ランプレヒト氏は前政権で法相をそつなく務めていたが、軍事分野に疎いこともあり、国防相としての資質が問題視されていた。就任直後にロシアがウクライナに軍事進攻し、難しい判断を速やかに下す必要がある状況下で適切に対応できないという問題が浮上。不適切な言動や公私混同が相次いだことから辞任を求める声が強まり、16日に辞意を正式表明した。
ショルツ氏はこれを受け、ピストリウス氏(62)を次期国防相に据えることを決めた。ピストリウス氏はオスナブリュック市長を経て2013年にニーダーザクセン州内相に就任。安全保障政策に詳しく、ショルツ氏は「この転換期に国防軍を指揮する適切な人物だ」と太鼓判を押した。
ショルツ氏は昨年12月の組閣に際し、内閣メンバーの少なくとも半数を女性とする意向を表明。これまでは首相である同氏を除くと男女がそれぞれ8人で均衡していた。国防相が女性のランプレヒト氏から男性のピストリウス氏に代わることで男性が過半数を占めるようになることから、ジェンダー平等を強く求める与党・緑の党からは批判が出ている。