フォルクスワーゲン―グループ販売3年連続減少、BEVは26%増加―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が12日に発表した2022年のグループ新車販売台数は前年比7.0%減の826万2,800台となり、3年連続で落ち込んだ。前年に引き続き半導体不足で生産調整を強いられたことが響いた格好。8月以降は前年同月を上回ったものの、それまでの不振を相殺できなかった。

販売台数を地域別でみると、中国を除くアジア太平洋(7.7%増の32万9,500台)以外はすべて減少した。減少幅が特に大きかったのは中東欧で、32.9%減の44万1,900台を記録。ロシアでの現地生産と同国向けの輸出を3月に停止したことが反映されている。

最大市場の中国はゼロコロナ政策が響き3.6%減の318万4,500台へと落ち込んだ。グループ販売に占める同国の割合は前年の37.2%から38.5%へと高まっている。西欧は5.2%減の271万1,300台、北米は7.2%減の84万2,600台、南米は8.0%減の47万3,700万台だった。

ブランド・グループ別でみると、大衆車(ブランド・グループ・ボリューム)は9.0%減の600万8,800台と減少幅がやや大きかった。シュコダが16.7%減の73万1,300台、セアト/クプラが18.1%減の38万5,600台と大きく後退。VWブランド乗用車は6.8%減の456万3,300台、VWブランド商用車は8.6%減の32万8,600台だった。

高級車(ブランド・グループ・プレミアム)は3.8%減の163万8,600台で、主力のアウディは3.9%減の161万4,200台。ポルシェを対象とするスポーツ車(ブランド・グループ・スポーツ)は2.6%増えて30万9,900台となった。

商用車子会社トレイトンは12.6%増の30万5,500台と大きく伸びた。ナビスターが174.1%増の8万1,900台と急拡大したことが大きい。MANは9.8%減の8万4,400台、スカニアは5.7%減の8万5,200台、VWトラック&バスは5.9%減の5万4,000台と振るわなかった。

12月のグループ販売台数は84万2,300台で、前年同月を18.1%上回った。増加は5カ月連続。

22年の電気自動車(BEV)販売は好調で、前年比26.3%増の57万2,100台へと拡大した。自動車販売全体の6.9%を占める。

販売台数が最も多かったのは欧州で、13.4%増の35万2,000台を記録。中国は伸び率が最も大きく、68.2%増の15万5,700台に拡大した。米国は18.8%増の4万4,200台、その他の地域は59.2%増の2万200台だった。

ブランド別ではVWブランド乗用車が23.6%増の32万5,100台、アウディが44.3%増の11万8,200台、シュコダが9.3%増の6万3,700台、セアト/クプラが140.8%増の3万1,400台、VWブランド商用車が109.0%増の7,500台へと拡大した。ポルシェは部品不足が響いて15.7%減の3万4,800台へと落ち込んだ。トレイトンは65.5%増の1,400台だった。

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