独企業景況感4カ月連続改善、製造・サービス・流通で明るさ増す

Ifo経済研究所が1月25日発表した1月のドイツ企業景況感指数(2015年=100)は90.2となり、前月を1.6ポイント上回った。同指数の改善は4カ月連続。今後6カ月の見通しを示す期待指数が3.2ポイント増の86.4と大きく伸びており、クレメンス・フュスト所長は「ドイツ経済はより強い確信をもって新年のスタートを切った」と述べた。現状判断を示す指数は0.3ポイントン減の94.1とやや低下し、2カ月ぶりに落ち込んだ。

景況感を部門別でみると、製造は3カ月連続で改善した。期待指数が大幅に上昇。現状判断も改善した。生産高は今後、増加する見通しという。

景況感はサービスでも改善した。期待指数が大きく伸びたためで、現状判断は落ち込んだ。現状判断の下落幅は運輸・物流と宿泊・飲食で大きい。

流通(小売・卸売)の景況感指数は大幅に上昇した。期待指数で上げ幅が特に大きかった。

建設は現状判断が悪化したものの、期待指数がやや上昇したことから、景況感はわずかに改善した。

輸出見通しも4カ月連続改善

一方、Ifoが26日に発表した1月の独製造業輸出期待指数(DI)は4.3ポイントとなり、前月の2.0ポイントから上昇した。同指数の改善は4カ月連続。直近の底である9月(マイナス5.5ポイント)に比べると9.8ポイント高い水準で、フュスト所長は「ドイツの輸出事業者は年初に新たな勢いを見込んでいる」との見方を示した。

Ifoは月例の企業景況感調査の一環としてメーカーおよそ2,300社に今後3カ月の輸出見通しを質問している。メーカーは「増える」「横ばい」「減る」のどれかを選んで回答。「増える」の回答比率から「減る」の回答比率を引いた数に季節調整を加味したものが輸出期待指数となる。同指数がプラスの領域にあることは、輸出増回答が輸出減回答を上回っていることを意味する。

1月は食品・飲料業界で輸出見通しが特に良好だった。これまで振るわなかった化学でも楽観的な見方が強くなってきた。自動車は輸出増を見込む企業が輸出減を上回っているものの、過去2カ月に比べると数値が大きく低下。機械では輸出増と輸出減が拮抗している。金属と家具では輸出減を見込む企業が輸出増を上回った。

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