ドイツ連邦統計局と連邦経済省が6日発表した昨年12月の製造業新規受注指数(2015年=100)は物価・季節・営業日数調整後の実質で前月比3.2%増となり、2021年9月以来の高い伸びを記録した。大型受注で水準が強く押し上げられたことが大きい。大型受注を除いたベースでは0.6%減少した。経済省はここ数カ月の新規受注データと企業景況感を踏まえ、「冬半期の経済の鈍化は緩やかなものになるかもしれない」との見方を示した。
配電・開閉装置、エンジン、航空宇宙の3業界で大型受注が多かった。
新規受注を地域別でみると、国内が5.7%増、ユーロ圏(ドイツを除く)が9.8%増と大きく伸びた。ユーロ圏外は3.8%減となり、2カ月連続で落ち込んだ。
部門別では、中間財が9.7%増と大幅に拡大した。増加は5カ月ぶり。国内が15.8%増え、全体が強く押し上げられた。ユーロ圏は4.9%増、ユーロ圏外は2.2%増だった。
投資財は横ばい。ユーロ圏は13.8%増と大きく伸びたものの、ユーロ圏外が7.2%減って足を強く引っ張った格好だ。国内は0.9%増だった。
消費財は3.3%減少した。国内が17.3%も落ち込んだためで、ユーロ圏は7.0%、ユーロ圏外は5.5%の幅で伸びた。
構成比重の大きい業界では自動車・自動車部品が3.0%減少したのに対し、機械は3.5%増加した。伸び率は電気設備(34.2%増)、データ処理装置/光学(9.3%増)、金属製品(5.1%増)、金属製造(4.6%増)で大きかった。「その他の輸送機器」は8.0%減、製薬は4.5%減、化学は2.7%減と振るわなかった。
11月の製造業新規受注は当初の前月比5.3%減から4.4%減へと上方修正された。
12月の製造業売上高(暫定値)は物価・季節・営業日数調整後の実質で前月を1.7%下回った。11月については当初の2.1%増から2.5%増へと引き上げられている。