独銀最大手のドイツ銀行が2日発表した2022年12月期決算の税引き後利益は前期比125%増の56億5,900万ユーロとなり、07年12月期以来15年ぶりの高水準に達した。19年に開始した構造改革が奏功。米国事業の好調を受けた繰延税金資産(DTA)の評価額を14億ユーロ引き上げたことも大きい。株主帰属の純利益は159%増えて50億2,500万ユーロとなった。経営陣は2期連続で配当を行う意向だ。
税引き前利益は65%増の55億9,400万ユーロで、こちらも15年来の高水準を記録した。リテール部門が前期(3億5,500万ユーロ)の5倍強の20億ユーロ、法人向け部門も前期(10億ユーロ)の2.1倍の21億ユーロと好調で全体をけん引した。投資銀行部門は6%減の35億ユーロ、資産運用部門は27%減の5億9,800万ユーロだった。
貸倒引当金は前期の5億1,500万ユーロから12億2,600万ユーロへと138%膨らんだ。ロシアのウクライナ進攻に伴い経済環境が悪化したことが響いた。
狭義の中核自己資本比率(CET1比率)は12月末時点で13.4%となり、前年同日を0.2ポイント上回った。