ドイツ連邦統計局が1月31日に発表した2022年の小売売上指数(自動車販売店を除く、暫定値)は前年比で実質0.6%減少した。名目売上は高インフレの作用で7.8%増と大きく伸びたものの、物価を加味した実質ベースでは前年水準に届かなかった。食品・エネルギー価格の高騰を受け消費者が支出を抑制したことが反映されている。比較対象の21年は売り上げが過去最高に達していたという事情も大きい。
小売売上は下半期に前年同期比4.1%減となり失速した。上半期は同3.1%増加している。
22年の小売売上を部門別でみると、食料品店は前年を4.6%割り込み、統計を開始した1994年以降で最大の減少となった。物価高騰と消費抑制のほか、コロナ規制の廃止で外食需要が増えたことが大きい。コロナ禍直前の19年比では減少幅が1.1%だった。
非食料品店の売り上げは2.0%増え、統計開始後最大の水準に達した。伸び率が最も大きかったのは繊維・衣料品・靴・革製品販売店で27.0%に達した。コロナ規制の緩和・解除で需要が大幅に拡大した格好だ。ただ、19年に比べると7.6%低く、市場は回復しきれていない。通販は8.5%減となり、長年の拡大にストップがかかった。