ドイツ連邦統計局が9日発表した1月のインフレ率(CPI)は前年同月比8.7%(速報値)となり、前月の8.6%をやや上回った。インフレ率の上昇は3カ月ぶり。ただ、今年1月から統計基準が変更されたうえ、データの処理が完了していないという事情もあるから、インフレ率が本当に上昇したかどうかは現時点で定かでない。前月比のインフレ率は1.0%だった。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が9.2%、前月比が0.5%となっている。前月はそれぞれ9.6%、マイナス1.2%だった。
統計局は今年1月から消費者物価統計の基準年を従来の2015年から20年に改めるなど変更を加えた。その際、ソフトウエアのプログラミングで予期せぬトラブルが発生したため、1月31日に予定していた速報値の発表を延期した経緯がある。集計が遅れていることから、通常であれば公表するエネルギーや食料品、サービス価格の変動率(速報値)を現時点では公表できない状況だ。
1月の確定値は22日の発表を予定している。その際、基準年を20年として計算し直した統計を20年1月までさかのぼって公表する。