化学大手の独メルクは8日、台湾南部の高雄市で半導体関連工場の鍬入れ式を行った。薄膜・パターニングソリューション向けに2025年から特殊ガスと半導体材料を生産する。敷地面積は15万平方メートル。同社電子材料部門のカイ・ベックマン最高経営責任者(CEO)は、マクロ経済の状況は現在、安定していないものの、中長期的にはデジタル化の進展とデータ量の爆発的な増加を背景に半導体市場の先行きは極めて明るいとの見方を示した。
電子材料部門は21年末から25年までに総額30億ユーロ以上を技術革新と生産能力拡大に投じることを計画している。高雄の新工場建設はその一環。顧客メーカーに近い場所で生産能力を拡大する戦略に沿った措置だ。
同社は現在、台湾以外のアジア地域と米国、ドイツでも半導体材料の生産能力を拡張している。先ごろは韓国企業メカロから化学事業を取得し、半導体用薄膜材料分野のコンピテンスを強化するとともに、グローバル生産能力を引き上げた。