22年の独機械輸出が過去最高に、サプライチェーンの混乱は緩和

連邦統計局のデータをもとにドイツ機械工業連盟(VDMA)が13日発表した同国の2022年の機械輸出高は前年比6.1%増の1,924億ユーロ(暫定値)となり、過去最高を更新した。物価を加味した実質ベースでは1.3%減少したものの、VDMAのチーフエコノミストは、ロシアのウクライナ進攻など難しい経済環境のなかで懸念されていた大幅減少は回避されたと安堵感を示した。

輸出高は第4四半期に前年同期比9.3%増(名目)となり、増加幅が拡大した。サプライチェーンの混乱は以前に比べ緩和されている。独機械業界の輸出見通しが改善していることもあり、23年のスタートは良好だとしている。

22年の輸出高を仕向け先地域別でみると、北米は20.0%増と伸び率が大きかった。ラテンアメリカも15.3%増と2ケタ台の伸びを記録している。アジアは中国が振るわなかったことから5.3%増にとどまった。足元の欧州は2.7%増で、欧州連合(EU)は5.0%増だった。

最大の仕向け先国はこれまでに引き続き米国で、20.0%増の248億ユーロを記録した。2位は中国で2.3%減の189億ユーロ。同国経済が第2四半期に失速したことが響いた格好だ。仕向け先3位はフランスで、5.2%増の129億ユーロだった。

上位20カ国のなかではトルコが20.8%増の48億ユーロ(12位)、インドが28.2%増の39億ユーロ(14位)と特に大きく伸びた。EUの制裁を受けているロシアは49.4%減の28億ユーロ(19位)と半減した。

ドイツの機械輸入高は12.2%増えて911億ユーロ(暫定値)となった。輸入先1位は中国で22.7%増の120億ユーロを記録。これにイタリア(6.9%増の78億ユーロ)、米国(23.2%増の64億ユーロ)が続いた。日本は11.2%増の40億ユーロで、前年に引き続き9位となった。

機械輸出を製品分野別でみると、額が最も大きかったのはこれまでに引き続き駆動技術で、5.3%増の172億ユーロに上った。2位は空調設備機器技術(11.3%増の149億ユーロ)、3位は物流技術(9.9%増の149億ユーロ)となっている。データを公表した上位12分野のなかで前年を割り込んだのは食品・包装機械(1.7%減の89億ユーロ)だけだった。農業機械は15.9%増、プラント・エンジニアリングは14.2%増と伸び率が大きかった。

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