ランクセス―高機能材料事業の合弁化、競争当局が承認―

化学大手の独ランクセスは14日、高機能材料事業を投資会社アドベントと合弁化する計画がインドの競争当局から承認されたと発表した。欧州連合(EU)の欧州委員会など審査を行った他のすべての競争当局からはすでに承認を得ていることから、両社は4月初旬までに取引を完了させる意向だ。

ランクセスは昨年5月、高機能材料事業(HPM)の整理計画を発表した。蘭同業DSMの高機能樹脂事業(DEM)をアドベントと共同買収したうえで、DEMを新設する合弁会社に移管。また、HPMを同合弁に移管し、HPMを連結対象から切り離す。新会社の出資比率はアドベントが60%以上、ランクセスが40%以下となる。

自動車業界で車両の電動化を背景に技術革新に向けた協業が活発化するなど業界を取り巻く環境が急速に変化していることから、ランクセスは2021年11月、HPMを法的に独立させることでそうした動きに柔軟に対応できるようにする方針を打ち出していた。DEMは電機・消費財向け、HPMは自動車向けに強いことから、補完性が高い。

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