フレゼニウス―人工透析子会社FMCを連結対象外に―

総合医療大手の独フレゼニウスは2月21日、人工透析子会社フレゼニウス・メディカル・ケア(FMC)を連結対象から外すとともに、FMCの企業形態を「株式・株式合資会社(AG & Co. KGaA)」から株式会社(AG)に変更すると発表した。FMCはここ数年、業績不振でフレゼニウスの足かせとなっていることから、フレゼニウスは連結除外を通して自らの財務を改善する。FMCの7月の臨時株主総会で株式会社化を正式決定し連結除外を行う予定だ。

FMCは人工透析の有力企業。かつてはフレゼニウスの業績をけん引していたが、コロナ禍による透析患者の死亡や主要市場・米国での介護人材不足、サプライチェーンのひっ迫、人件費・材料費の上昇が響き経営が低迷。フレゼニウス株主の間から分離を求める声が出ていた。

FMCに対するフレゼニウスの出資比率は32%にとどまる。だがFMCが株式・株式合資会社という特殊な企業形態を取ることから、FMCの業績は100%フレゼニウスの連結決算に反映される。株式会社化すると、これが出資比率に見合った割合(現在32%)に低下する。

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