独北部~ケルン間に水素パイプライン、ティッセンガスとガスニーが計画

天然ガス輸送大手の独ティッセンガスと蘭ガスニーは2月23日、ドイツ北部のヴィルヘルムスハーフェン港とケルン近郊のヴェッセリングを結ぶ全長およそ400キロの水素輸送パイプラインを設置する計画を発表した。両社が計画する他の水素パイプラインと接続し、総合的な水素輸送網をドイツに構築。欧州の水素経済立ち上げにつなげる意向だ。

既存の天然ガスパイプラインを水素用に改めるとともに、新たなパイプラインを敷設してプロジェクトを実現する。ヴィルヘルムスハーフェン港で生産する水素とノルウェーから輸入する水素をライン・ルール地方に輸送。鉄鋼、化学、石油精錬など同地の潜在的な主要顧客に供給する。2028年の輸送開始を目指している。

ガスニーは独北部で水素輸送網「ハイパーリンク」を敷設する計画。ティッセンガスも「GET H2」という産学共同プロジェクトの一環で独西部に水素パイプラインを敷設することを計画している。両社が新設するパイプラインはこれらのパイプラインと接続することから、独北部から西部にかけて水素輸送網が構築されることになる。

欧州連合(EU)の欧州委員会にはすでに、「共通利益プロジェクト(PCI)」への認定を申請した。承認されると補助金の交付を受けられるほか、認可手続きが加速される。27年の建設開始を見込んでいる。

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