シーメンス・エナジー―伊で交直変換所を受注―

エネルー設備大手の独シーメンス・エナジー(SE)は28日、イタリアの送電網事業者テルナがティレニア海に敷設予定の送電線「ティレニアン・リンク」向けに高圧直流送電(HVDC)インフラを共同受注したと発表した。交流と直流の変換を行う交直交換所を現地のエンジニアリング企業FATAとともに計4カ所、設置する。SEの受注額は10億ユーロ弱。

イタリアは欧州連合(EU)域内の温室効果ガス排出量を2030年までに1990年比で55%削減するための政策パッケージ「Fit for 55」の一環で、国内の再生可能エネルギー発電容量を70ギガワット(GW)拡大し、電力消費量に占める再生エネの割合を65%以上に高めることを計画している。テルナはこれを受け、イタリア本土とシシリー島間、シシリー島とサルデーニャ島間に計970キロメートルのHVDC線を敷設する。これにより、最大1GWの電力を本土と両島間で融通できるようにし、電力の有効利用と送電網の安定につなげる考えだ。

交直交換所は本土南西海岸のカンパニア州とサルディニア島南部にそれぞれ1カ所、シシリー島北部に2カ所設置される。SEが設備を供給。FATAは現地の建設会社2社と設置作業などを行う。28年末までの建設作業終了を予定している。

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