2労組の共同ストで交通に支障、ドイツ鉄道は長距離列車を全面運休

独統一サービス労組Verdiと鉄道・交通労組EVGは27日、公共交通機関と交通インフラを対象とする大規模な共同ストライキを実施した。両労組は高インフレを背景に大幅なベースアップを要求しており、同時ストを通して雇用者側に強い圧力をかけた。

27日0時から24時間のストを行った。EVGはドイツ鉄道(DB)だけでなく、民間の公共交通会社でもストを実施したことから、長距離列車、近距離列車、地下鉄、市電、バスの運行で全国的に大きな支障が発生。DBは同日、長距離列車を全面運休した。同労組のマルティン・ブルカート委員長は23日の時点で、シフト勤務の労働者は26日夕方にストを開始する可能性があると指摘。鉄道などでの移動を計画している人は26日の早い時間帯に目的地に到着するよう注意を促していた。

Verdiは◇ベルリンを除く全国の主要空港◇ヘッセン、ノルトライン・ヴェストファーレン、バーデン・ヴュルテンベルク、ザクセン、ニーダーザクセン、ラインラント・ファルツ、バイエルン州の近距離公共交通機関◇河川・港湾インフラ◇アウトバーン管理会社――でストを実施した。河川交通では一部の閘門で業務が停止され通過できなくなった。また、24日早朝までストが行われたハンブルク港では27日に再実施された。空の便も大きな影響を受け、日本線は欠航ないし遅延運航を余儀なくされた。

道路では渋滞がほとんど発生しなかった。在宅勤務に切り替える被用者が多かったもようだ。

Verdiは現在、国と市町村を対象に労使交渉を実施中。賃金を10.5%、金額では最低でも500ユーロ引き上げることを要求している。

EVGも最低650ユーロのベアを要求。給与水準の高い被用者では12%の賃上げを求めている。

ドイツで公共交通ストが行われるのは珍しくないが、長距離交通、近距離交通、空港の同時ストが全国的に展開されたのは30年ぶりだ。

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