輸入物価が戦争勃発後の最低水準に、ピーク時の8月比では11%以上低下

ドイツ連邦統計局が3月31日発表した2月の輸入物価指数(2015年=100)は前年同月比2.8%増の132.2となった。上げ幅は21年2月(1.4%)以来、2年ぶりの低水準。指数もウクライナ戦争(22年2月24日勃発)の影響が実質的になかった22年2月(128.6)以来の低い水準まで下がった。22年3月以降、同物価を強く押し上げてきたエネルギーが今年2月は8.1%下がり、全体を強く押し下げた格好だ。

エネルギーの内訳をみると、天然ガスは11.2%低下。原油も0.3%下がった。石油製品と電力は上昇したものの、上げ幅はそれぞれ2.3%、2.1%と小さい。

エネルギーを除いたベースでは輸入物価は5.3%上昇した。物価の押上要因がエネルギーから他の財に移行。2月は消費財と投資財がけん引車となった。

非耐久消費財の上げ幅は8.6%に上った。食料品は17.5%を記録。食肉・肉製品は20.9%、豚肉は58.0%、果物・野菜製品は19.2%、牛乳・乳製品は11.9%だった。耐久消費財は7.1%。

投資財は6.2%で、機械は7.4%、自動車・自動車部品は7.2%に上った。

農産物は9.2%で、豚(133%)と卵(64.2%)は上げ幅が特に大きかった。天然ゴム(-26.8%)とコーヒー生豆(-4.6%)は前年同月を下回った。

中間財は2.6%となり、上昇率は前月の4.7%を下回った。上げ幅が特に大きかったのはスターチ製品(63.8%)、砕木パルプ・セルロース(24.3%)、紙(20.0%)。

輸入物価指数は前月比では2.4%減となり6カ月連続で低下した。ピーク時の昨年8月(149.1)からは11.3%下落している。エネルギーが13.6%下がったことで全体が強く押し下げられており、エネルギーを除いたベースでは0.3%上昇した。その他の財では中間財が0.4%低下。耐久消費財と非耐久消費財はそれぞれ0.2%、投資財は0.5%、農産物は5.3%の幅で上昇した。

2月の輸出物価指数は前年同月比6.6%増の123.8となり、上げ幅は前月の7.8%から縮小した。上昇率が1ケタ台にとどまるのは2カ月連続。

全体を最も強く押し上げたのは構成比重が46%に上る投資財で、上げ幅は6.6%に上った。機械が9.0%、自動車・自動車部品が5.6%となっている。

中間財は7.2%で、ガラス・ガラス製品は20.8%、紙は10.6%、化学原料は8.4%だった。

輸出物価指数は前月比では0.2%減となり、2カ月連続で落ち込んだ。ピーク時の8月(128.7)に比べると3.8%低く、輸入物価同様、低下傾向が続いている。

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