テネット―交直変換所を日立などに発注、容量は大型発電所22基分―

送電大手の蘭テネットは3月30日、北海の洋上風力発電パーク11カ所を陸上の送電網と連結するプロジェクトに絡んで、洋上と陸上の交直交換所と関連インフラを複数の企業連合に発注したと発表した。電力容量は計22ギガワット(GW)で大型発電所22基分に相当。発注総額は約240億ユーロに達した。

欧州連合(EU)に加盟するドイツ、オランダ、ベルギー、デンマークの首相と欧州委員会のフォンデアライエン委員長は昨年5月、デンマーク南西部のエスビアウで会談し、北海の洋上風力発電拡大に向け協力することで合意した。洋上風力発電容量を2030年までに計65GW以上に拡大することを目指す。テネットはその約3分の2に当たる40GWの送電容量を引き受ける考え。オランダとドイツでそれぞれ20GWの導入を計画している。

同社は今回、オランダとドイツのプロジェクトそれぞれ8件、3件で発注を行った。そのうち6件を日立エナジーと英ペトロファックの連合、3件を米ゼネラルエレクトリック(GE)とシンガポールのセムコープ(SMOP)の連合、2件をGEと米マクダーモットの連合が受注した。これらのプロジェクトは2029~31年の完成を予定している。

日立エナジーは同社最新の高圧直流送電(HVDC) 技術である「HVDC Light」を使用した変換所を供給する。協業先のペトロファックは洋上プラットホームと陸上土木工事のエンジニアリング、調達、建設、設置を引き受ける。同企業連合の受注総額は約130億ユーロ(1兆8,600億円)で、日立エナジーにとって過去最大の包括契約となる。

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