ツァイス―露光装置用ミラーの生産能力拡大へ―

光学大手の独ツァイスは3月29日、フランクフルトの北方およそ70キロのヴェッツラー工場で新生産施設の鍬入れ式を行った。産業IoTや自動運転、5Gなどのメガトレンドを背景に半導体需要が拡大していることを受け、半導体露光装置用反射ミラーの生産能力を拡張する。22日にはフランクフルト南方のロスドルフにある半導体製造技術部門(SMT)の研究開発拠点でクリーンルームの拡張工事も開始した。

反射ミラーは光源の光をフォトマスクの方向に変化させる露光装置の中核部品。ミラーは表面が極めて平坦でなければならず、加工が難しい。ツァイスは反射ミラーの有力企業で、現時点で最も微細な加工が可能な蘭ASML製極端紫外線(EUV)露光装置にはツァイスのミラーが使われている。

ヴェッツラー工場ではEUVに比べ精細度の低い深紫外線(DUV)露光装置向けのミラーが製造されている。需要が拡大していることから、雇用規模はすでに、2017年の170人から380人に拡大した。新生産施設が25年に完成すると150人が新たに採用される。

ロスドルフの研究開発拠点ではクリーンルーム面積を26年末までに現在の600平方メートルから900平方メートルへと拡大。フォトマスク補正技術のさらなる開発に適した体制を整える。

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