フォルクスワーゲン―中国での電動車開発を30%短縮へ―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は18日、中国にフルコネクテッド電動車開発・イノベーション・調達センターを設立すると発表した。自社の開発・調達能力を統合するとともに、現地サプライヤーを早い時点で製品開発に関与させ、車両開発時間を約30%短縮。同国のトレンドに合致した製品を速やかに市場投入できるようにする。

約10億ユーロを投じて安徽省合肥市に新センターを設置し、2024年初頭から業務を開始する。開発と調達分野の要員2,000人以上が勤務する予定。まずは電気自動車(BEV)専用車台「MEB」をベースとする現地合弁JACフォルクスワーゲンのモデルを開発する。

同センターは「100%TechCo」というプロジェクト名の新会社が運営する。

中国では電動車の需要が急速に拡大している。メディア報道によると、電動車に強い比亜迪(BYD)は第1四半期の販売台数がVWを上回り、乗用車市場の最大手となったもようだ。ドイツ勢は電動車市場で後手に回っており、危機感は大きい。VWは現地消費者のニーズに見合ったモデルを速やかに投入することで巻き返しを図る考えだが、コスト・価格競争は厳しく、先行するテスラや中国勢を追い上げられるかは定かでない。独CAR自動車研究センターのフェルディナント・ドゥーデンフェファー所長は、従来の価格・生産戦略を継続すれば顧客は失われるだろうとの見方を示した。

上部へスクロール