3月輸出が大幅減、先行きに懸念

ドイツ連邦統計局が4日発表した3月の輸出高(暫定値)は営業日数・季節調整ベースで前月比5.2%減の1,297億ユーロへと大きく落ち込んだ。減少は3カ月ぶり。独商工会議所連合会(DIHK)のフォルカー・トライヤー貿易部長は地政学リスク、銀行不安、高インフレとそれに伴う購買力の低下、金利上昇が悪影響をもたらしているとの見方を示した。エコノミストの間には、サプライチェーンのひっ迫緩和で上向いた輸出が再び低迷するとの見方もある。

輸出を仕向け先地域別でみると、ユーロ圏が6.6%減の488億ユーロ、欧州連合(EU)のユーロ非加盟国が5.3%減の205億ユーロ、EU域外が4.0%減の604億ユーロと軒並み落ち込んだ。

国別では最大の仕向け先である米国が10.9%減の125億ユーロと振るわなかった。中国も9.3%減の77億ユーロと大きく後退した。

輸入高(暫定値)は1,130億ユーロで、6.4%減少した。輸入は昨年9月以降、2月を除いてすべて前月割れとなっている。地域別ではEU域外が8.6%減の530億ユーロ、EUのユーロ非加盟国が6.7%減の197億ユーロ、ユーロ圏が3.2%減の403億ユーロだった。

貿易収支は167億ユーロの黒字で、黒字幅は前月を3.7%上回った。前年同月(40億ユーロ)比では約4.2倍に拡大している。

非調整ベースの3月の輸出高は1,467億ユーロとなり、前年同月を5.0%上回った。輸入高は5.4%減の1,234億ユーロで、貿易収支の黒字幅は前年同月の92億ユーロから233億ユーロへと拡大した。

1~3月の輸出高は営業日数・季節調整ベースで3,982億ユーロとなり、前年同期を7.4%上回った。

同輸入高は1.6%増の3,495億ユーロ。EU域外は2.3%減となったものの、EUのユーロ非加盟国が14.7%増と大きく伸びた。貿易収支は487億ユーロの黒字だった。

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