自動車大手の独メルセデスベンツと仏ステランティス、仏エネルギー大手トタルエナジーズが均等出資で運営する電池合弁会社オートモティブ・セル・カンパニー(ACC)は30日、フランス北西部のビリー・ベルクローで巨大電池セル工場(ギガファクトリー)の竣工式を行った。同社がギガファクトリーを開設するのは初めて。今後はドイツとイタリアにも設置し、2030年までに生産能力120ギガワット時(GWh)体制を構築する計画だ。
ACCはステランティスの前身企業PSAとトタルの電池子会社サフトが2020年に設立した企業で、メルセデスは21年に資本参加した。仏南西部ボルドー近郊のブルージュに本社と研究開発施設、ネルサックにパイロット生産施設を持つ。
今回開設したビリー・ベルクロー工場では年末までに生産を開始する。年産能力は当初13GWh強で、30年までに電気自動車80万台分に相当する40GWhへと引き上げる計画。
今後は25年に西南ドイツのカイザースラウテルン、26年にイタリア中東部のテルモリでもギガファクトリーを稼働させる。
広報担当者の情報として『フランクフルター・アルゲマイネ』が報じたところによると、メルセデスとステランティスが3工場からどの程度の量のセル供給を受けるかは未定。外部の企業に販売することもあり得るという。