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ドイツ企業を対象とする中国資本のM&A(企業の合併・買収)活動は昨年も活発だった。件数自体は前年を21%下回ったものの、金額ベースではダントツの過去最高となった前年を9%上回る136億8,400万ユーロへと拡大。2年連続で極めて高い水準を記録した。中国経済の成長鈍化を受けて新たな市場や事業分野の開拓を目指す同国企業が多いことが背景にあり、ドイツは欧州最大の買収対象国となっている。

監査法人大手アーンスト・アンド・ヤング(EY)が24日発表したレポートによると、中国企業(香港を含む)が2017年に欧州で実施した買収・出資(今年1月16日時点で買収・出資手続きが未終了の案件を含む)は計247件となり、前年に記録した過去最高を20%下回った。中国政府が自国企業の国外M&Aを抑制したことが反映された格好だ。

EYはこれについて◇中国政府が国外への資本流出に歯止めをかけるため国外買収に対する審査を厳格化した◇その結果、欧州企業の売り手が売却契約に際して高額な保証金の支払いを要求するようになった◇中国企業が買収対象を慎重に吟味するようになった――との事情を指摘。中国企業の国外での買収意欲そのものは衰えていないとの見方を示した。

中国企業による対欧州M&Aを国別でみると、件数が最も多かったのは前年同様ドイツで、54件(前年68件)に上った。2位は英国(44件)、3位はイタリア(24件)、4位はフランス(22件)、5位はスウェーデン(11件)が続いた。

中国企業の対欧M&Aの内訳を分野別でみると、最も多かったのは機械などの加工組立で、79件を占めた。これにハイテク(32件)、金融(29件)、エネルギー・電力(24件)、素材(18件)が続く。

対独M&Aでは54件のうち30件を加工組立が占めており、2位のヘルスケア・医療、ハイテク(ともに6件)を大幅に上回る。

加工組立分野の対欧M&A(79件)ではドイツがダントツの1位で、全体の38%を占めた。2位イタリア(12件)の2.5倍に上る。3位の英国は9件、4位スイスは5件、5位フランスは3件だった。

中国企業の昨年の対欧M&A総額は576億400万ドルで、前年を33%下回った。比較対象の16年はスイスの農業化学大手シンジェンタを対象とする中国化工集団(ケムチャイナ)の巨額買収(約442億ドル)で水準が著しく押し上げられており、その反動が大きい。

最大の案件は中国政府系ファンドの中国投資(CIC)による欧州物流不動産大手ロジコールの買収で、規模は137億4,200万ドルに上った。2位は民間資源・投資会社、中国華信能源(CEFCチャイナエナジー)によるロシア石油最大手ロスネフチの株式(14.16%)取得で92億7,200万ドル。3位は香港の不動産開発大手・長江実業地産による検針サービスの独イスタ・インターナショナル買収で67億2,400万ユーロだった。中国企業による欧州M&A上位10件のうち3件はドイツ企業を対象とするもので、最も多かった。2位は英国とスペインで、ともに2件だった。(表を参照)

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