仏自動車大手のPSAプジョー・シトロエンは22日、フランスで開いた先端技術の発表会でガソリンエンジンと圧縮空気貯蔵技術を組み合わせた新たなハイブリッド技術「ハイブリッド・エア」を発表した。同技術の開発には独自動車部品大手のロバート・ボッシュやPSAの部品子会社であるフォルシアが参加している。PSAはハイブリッド・エア技術を搭載したBセグメントのモデルを2016年に市場投入する計画を示している。
\同技術では、ガソリンエンジンのみの走行、圧縮空気エネルギーによるゼロエミッション走行、両システムを組み合わせた走行の計3種類の走行モードで走行できる。PSAによると、シトロエン「C3」やプジョー「208」のような小型車に同技術を搭載した場合の二酸化炭素(CO2) 排出量は走行1キロメートル当たり69グラム(走行100キロメートル当たり2.9リットル)になるという。
\PSAは2020年までに走行100キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量を2リットルに削減することを目指しており、ハイブリッド・エア技術は同目標の達成に向けた取り組みの一環であるとしている。
\ \■ 生産コストの低さと強度に利点、新興国市場で発売も
\ \ボッシュによると、同システムは生産コストが低く、強度に優れるため、小型車から小型商用車まで幅広い車種に採用できると見込んでいる。
\PSAのフィリップ・バラン会長が独経済紙『ハンデルスブラット』に明らかにしたところによると、ハイブリッド・エア技術を搭載したモデルは約1万5,000ユーロからの価格設定が可能になる見通し。例えば電気自動車に比べると簡単な構造でメンテナンスも容易であるため新興国市場で販売することも視野に入れているとした。
\また、ボッシュのベルント・ボーア取締役(自動車部門担当)は同紙に対し、他の自動車メーカーも同技術に関心を示しており、将来はPSA以外のモデルにも同技術が採用される可能性があるとした。
\ボッシュによると、ハイブリッド・エア技術はボッシュ・グループの駆動制御装置子会社であるボッシュ・レックスロートがすでに実用化している産業機器用の油圧ポンプシステムをベースに、乗用車向けに適応させたものであるという。ブレーキ時に発生する運動エネルギーを油圧エネルギーに転換して蓄圧器(アキュムレーター)に貯蔵し、再び走行エネルギーとして使用する仕組み。『ハンデルスブラット』紙によるとアキュムレーターはフォルシアが供給した。
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