オペルは、従業員が自動車の組立をゲーム感覚で学べるバーチャルトレーニングシステムの開発を進めている。ハードウェアプロトタイプを使ったトレーニングよりも低コストで柔軟性が高いのが特徴で、2015年の導入を目指している。
「VISTRA (Virtual Simulation and Training of Assembly and Service Processes in Digital Factories)」と呼ばれるこのシステムは、任天堂「Wii(ウィー)」とマイクロソフト「 Kinect(キネクト)」を活用。ユーザーはゲームをプレイする時と同じようにコントローラーを操作し、スクリーンに映し出される部品を正しい手順で組み立てていく。
オペルは3年前から欧州連合(EU)の助成を受けて次世代バーチャルトレーニングシステムの開発に取り組んできた。バーチャルトレーニングのためのソリューションはこれまでにも開発されているが、開発プロジェクトを率いるアールト氏は従来のソリューションは現実感に乏しく、ユーザー目線に立って開発されていないことが問題だと指摘。「私たちは従業員が慣れ親しんだ環境でトレーニングできるシステムを望んでいる」と語っている。
初期テストの結果によると、VISTRAでトレーニングした従業員はプロトタイプのみでトレーニングした場合と比べミスを犯す確率が40%も低く、部品の取り扱いがより確実に素早くなったという。ただ、オペルではバーチャルトレーニングは従来のプロトタイプによるトレーニングに完全に取って代わるものではなく、現行のトレーニングシステムを補完するものだとしている。