独コンチネンタル、スタートアップ・プログラムを発足

独自動車部品大手のコンチネンタルは10月30日、社内および外部のスタートアップを支援する新規プログラム「co-pace」を始動したと発表した。従業員の新規事業モデルの立ち上げ・事業化を支援するほか、外部の新興企業を業務提携・資本参加を通して支援する。11月13日にはミュンヘンで同プログラムについて会見を開く予定。

「co-pace」は、「インキュベーター」、「スタートアップ提携プログラム」、「コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)」の3部構成となっている。

「インキュベーター」は、コンチネンタル従業員の新しいアイデアの事業化を支援するもので、今夏にコンチネンタルの10拠点を対象にコンテストを実施し、アイデアを募集した。応募のあった420件のコンセプトから選ばれた3件の応募者は現在、通常業務から離れてミュンヘンで、ミュンヘン工科大学(MTU)にある事業アイデアの実現支援を目的とするUnternehmerTUMの協力を得ながら、コンセプトやプロトタイプの開発に取り組んでいる。

「スタートアップ提携プログラム」は、外部のスタートアップ企業とコンチネンタルの提携事業を対象とする。コンチネンタルの経営ノウハウなどを生かし、スタートアップ企業の事業発展を後押しする。

「コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)」は、スタートアップ企業への投資により、新たな技術や事業アイデアへのアクセスを可能にする。

■3件のプロジェクト、年末までミュンヘンで作業

選出されたプロジェクトは、◇高性能な照明スイッチ◇自動車のスマートキー技術を活用した住居用ドアのスマートキー技術◇車いす用の電気駆動装置――の3件。

独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』によると、ミュンヘンでの開発期間は今年末までで、コンチネンタルはその後、製品をコンチネンタルの事業部門で生産するか、あるいは、新会社を設立しコンチネンタルが資金支援するかを決める方針という。

また、コンチネンタルにとって新規プログラム「co-pace」の立ち上げは、従業員の自主性や新しいアイデアを歓迎するというメッセージを社内に発信する意図もあるという。

同紙によると、今回選出された3つのアイデアは、コンチネンタルの中核事業である自動車部品からやや離れた分野という特徴がある。同社は新規プログラムを通して、非自動車分野を強化する戦略も考えているとみられる。

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