フラウンホーファー・マイクロエレクトロニックサーキットシステム研究所(IMS)は、マイクロコントローラーやセンサー用の人工知能(AI)「AIfES(Artificial
Intelligence
for
Embedded
Systems)」を開発している。外部のクラウドや高性能なコンピューターに接続せずに、マイクロコントローラーやセンサーが独立して機械学習することができるライブラリを開発した。このライブラリにより、手書きの文字や数字、身振りを認識することができる。
フラウンホーファー研究所によると、従来の機械学習のソフトウエアは、プログラミング言語Pythonを使用している。また、言語操作や画像加工する際には、高度な計算能力を必要とするため、システムが外部のクラウドやサーバーにデータを送信している。
これに対し、IMSでは、プログラミング言語Cを使った機械学習ライブラリを開発した。また、最小限のニューラルネットワーク(NN)で課題を処理するため、各用途に応じて必要最小限のデータを処理する仕組みとした。データを外部に送信する必要がないため、個人情報が流出する懸念がないのも利点。
IMSが開発したAIfESは、自動車、医療、スマートホーム、産業のデジタル化(インダストリー4.0)など、様々な分野に活用することができる。例えば、スマートホームでは、ジェスチャーによる照明操作に使用できる。このほか、医療施設のリハビリやフィットネスなどでは、当該技術で体の動きを認識し、トレーナーがいなくても、正しい動きができているかを自己確認することができる。