欧米自動車大手のステランティスと台湾の電子機器大手、鴻海精密工業(フォックスコン)は18日、オランダに本社を置く折半出資の合弁会社モバイル・ドライブを設立する計画について、拘束力を持たない覚書(MoU)を締結したと発表した。同合弁を通して、スマートコックピットやコネクテッドサービスを開発する。同合弁事業には、フォックスコンの子会社で携帯端末などを製造するFIHモバイルも参加する。
モバイル・ドライブは今後、自動車分野のサプライヤーとして、ソフトウエアや関連ハードウエアをステランティスや他の自動車メーカーに供給していく計画。
具体的には、インフォテイメントやテレマティクス、クラウドサービスプラットフォームの開発に重点を置く。人工知能(AI)を基盤にしたアプリケーションや第5世代移動通信システム(5G)による通信、無線通信によるソフトウエアの更新(OTA:over-the-air)、電子商取引(eコマース)、スマートコックピットなどの開発を視野に入れている。
自動車におけるソフトウエアの重要性が高まる中、ステランティスは合弁会社の設立により、車載インフォテイメントやコネクテッドサービスなどを強化する。フォックスコンはこれまで主に、米アップルの携帯端末など電子機器の受託生産を事業としてきたが、今回の合弁設立により、自動車産業に本格参入する。