経営再建中の独ヴィルヘルム・カルマンのルーフシステム事業の買収に少なくとも4社が関心を示している。同社の関係者が明らかにしたところによると、すでに買収への意欲を表明しているマグナ・カー・トップ・システムズ(CTS)とスペインのCIEオートモーティブに加え、新たに数社が名乗りを上げた。カルマンの管財人であるオットマー・ヘルマン氏は具体な企業名の公表を避けているものの、独『ファイナンシャル・タイムズ』によると、金融投資会社のノードウィンド・キャピタルと部品メーカーのフォアヴェルク・オートテック(ブッパータール)が関心を示しているという。
\消息筋によると、カルマンはルーフシステム部門の売却先としてCTSを最有力候補とみなしている。また、同社の地元であるニーダーザクセン州政府も、クリスチアン・ヴルフ首相とマグナのジークフリート・ヴォルフ社長、同創業者のフランク・シュトローナッハ氏が12月初めに会談したことを認めている。
\ただ、CTSへの事業売却が最終的に実現するかは微妙だ。欧州でルーフシステム事業を展開する企業はヴェバスト、エドシャ、CTS、カルマンなどごく少数に限られる。独カルテル当局は昨年12月、ヴェバストによるエドシャのカブリオレ用ルーフシステム事業買収を認可した際、「これ以上の統合は市場競争をゆがめる恐れがある」との懸念を表明している。このため、市場関係者はカルマンとCTSが合意してもカルテル当局が認可しない可能性は高いとみている。
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