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2010/9/3

総合 – 自動車産業ニュース

ロシア政府、国内自動車産業の保護強化へ

この記事の要約

ロシア政府が国内自動車産業の保護を強化する方針だ。プーチン首相は8月30日、報道専門テレビ局ヴェスチ24の取材に対し、外国車の輸入にかかる関税率を段階的に引き上げる考えを示した。外国メーカーが輸入する部品に対する関税につ […]

ロシア政府が国内自動車産業の保護を強化する方針だ。プーチン首相は8月30日、報道専門テレビ局ヴェスチ24の取材に対し、外国車の輸入にかかる関税率を段階的に引き上げる考えを示した。外国メーカーが輸入する部品に対する関税についても、産業省が軽減税率の適用基準を厳格化する方向にあり、外国メーカーは市場攻略作戦の修正を迫られそうだ。

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プーチン首相は、「外国からゴミ同様の老朽車が流入し、ロシアがスクラップ場と化するのを黙認できない」と話し、外国メーカーに現地生産を本格化するよう求めた。技術移転を含め、ロシアでの生産を拡大すべきとの立場だ。保護主義との批判が出ることを見越し「ロシアは世界貿易機関(WTO)に加盟しておらず、問題はない」と言明し、強気の姿勢を示している。

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関税引き上げの詳細は未公表だが、新車と中古車の双方が対象となるという。現在の税率は新車で乗用車が30%、トラックが25%。中古車も乗用車が最低50%、トラックが同100%と高水準になっている。

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現地生産を目的とした部品輸入については、産業省が軽減税制の適用基準の厳格化を準備中だ。現地生産を開始してから6年で、◇年産規模が30万台超◇部品の現調率が60%以上◇一定量のエンジン、変速機を現地生産する――などの達成を求める内容で、外国メーカーにとって厳しい条件となっている。2カ月以内に閣議決定に持ち込みたい考えだ。

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しかし、この措置に現地生産を促す効果があるかは未知数。投資に見合うだけの販売規模がいつ達成できるかいう問題に加え、高い品質を保証する現地部品メーカーの確保が困難という事情があるためだ。

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ロシア政府は、これまでも一貫して国内産業保護の立場をとってきた。09年初めに自動車関税を引き上げたほか、今年3月には新車買い替え奨励措置を国内メーカーに有利な条件で導入している。

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金融危機で大きな打撃を受けたロシア自動車産業は、予想を上回る速さで回復している。今年は販売で約170万台が見込まれており、15年には300万台に拡大すると予想されている。

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