仏自動車大手のPSAプジョー・シトロエンは26日、2012年に約8億ユーロのコストを削減する計画を発表した。自動車部門の競争力向上と利益率改善に向けた措置であると説明している。欧州では2012年に2,500人を削減する方針を示している。
\独業界紙『オートモビルボッヘ』紙によると、同社は2012年末までに約3,500人を削減する方針という。うち約1,000人は生産現場の人員が対象となるが、可能な限り希望退職を募ることで対応する意向のため、当初の削減計画には含めていなかったと報じている。また、同紙が従業員側代表から得た情報によると、同社はさらに臨時雇用者などを約3,300人削減する計画で、欧州では全体で約6,800人の職場が影響を受ける見通しという。
\PSAによると、8億ユーロのコスト削減のうち、調達コストを4億ユーロ、固定費を4億ユーロ削減する方針。
\『オートモビルボッヘ』紙によると、同社は欧州で約16万7,000人の従業員を抱えており、うち約10万人がフランスで従事している。世界全体では19万8,000人を雇用している。また、コスト削減措置の一環として、スロバキア工場では、10月28~11月4日、11月14~18日まで生産を停止する。
\同社は中国などの新興国市場で販売が伸びているものの、欧州市場への依存度が高いことが足かせとなっていると見られている。
\ \■ 2011年第3四半期は3.5%増収
\ \PSAが26日発表した2011年7-9月期(第3四半期)の売上高は129億9,300万ユーロとなり、前年同期に比べ3.5%増加した。うち、自動車部門は1.6%減の94億6,500万ユーロに後退した一方、傘下の自動車部品メーカー、フォルシアは15.9%増の32億6,700万ユーロ、物流子会社ジェフコ(Gefco)は7.1%増の7億9,400万ユーロ、金融子会社のバンクPSAファイナンスも6.2%増の4億6,400万ユーロの増収を確保した。
\第3四半期の地域別販売を見ると、欧州は前年同期比10.5%減の41万3,289台と振るわなかった。これに対し、ロシアは13.1%増の1万9,428台、ラテンアメリカは8.6%増の8万4,938台、中国は12.2%増の9万6,891台に大きく伸びた。
\通期では、日本の大震災の影響で2億5,000万ユーロ、原材料価格の上昇により7億ユーロのコスト負担が生じるとしている。また、欧州で価格競争が激化しているほか、南欧諸国で需要が落ち込んでいるなど厳しい市場環境となっていることから、自動車部門は通期の営業利益で収支トントンとなるとの見通しを示している。
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