ボーダフォンのCEOが辞任、業績悪化による株価低迷で

英通信大手ボーダフォン・グループは5日、ニック・リード最高経営責任者(CEO)が年内に辞任すると発表した。リード氏は2018年にCEOに就任したが、業績悪化で株価が下落し、投資家からの辞任圧力が強まっていた。

取締役会はマルゲリータ・デラ・バレ最高財務責任者(CFO)を暫定的なCEOに指名した上で、後任者の選考を進める。

リード氏は18年10月にボーダフォンのトップに就任した。しかし、最大の市場であるドイツで事業の不振が続き、スペイン、イタリアでライバルとの競争で苦戦するなど、業績が低迷。株価は同氏が就任してから45%も下がった。

リード氏は経営改善に向けて、携帯電話用通信塔事業やハンガリー子会社などの売却を進め、国内の携帯電話サービス事業を同業スリーと統合する方針を打ち出した。しかし、9月に22年通期の業績見通しを下方修正したことを引き金に、辞任圧力が一層強まっていた。

同氏は声明で「ボーダフォンの強みを生かし、将来の大きなチャンスをつかむことができる新リーダーに職を引き継ぐのにふさわしい時期に達したという点で取締役会と一致した」と述べた。

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