欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2014/5/5

西欧

VWがスカニアへのTOB延長、期限内に目標に届かず

この記事の要約

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は4月30日、商用車子会社スカニア(スウェーデン)に対する株式公開買い付け(TOB)の期限を5月16日に延長すると発表した。全株式の90%超を確保するとした目標を当初の期限である2 […]

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は4月30日、商用車子会社スカニア(スウェーデン)に対する株式公開買い付け(TOB)の期限を5月16日に延長すると発表した。全株式の90%超を確保するとした目標を当初の期限である25日までに達成できなかったため。買い取り価格は1株当たり200クローナ(約22.2ユーロ)に据え置いている。

VWは2月21日に開始したTOBの直前の時点で、スカニアの議決権株の89.18%、全株式の62.64%を保持していた。今月25日の期限までに新たに確保したのは議決権株の6.63%、全株式の25.62%。VWの持ち株比率は議決権株で95.81%、全株式で88.25%に高まる見通しとなったものの、全株式の90%超を確保するという目標には届かなかった。

VWのTOB提案を受けてスカニアの監査役会が設置した委員会は同提案を受け入れないよう株主に呼びかけていた。現地の投資会社もTOBに応じない意向を示しており、VWが目標を達成できるかは不透明だ。

VWは自社の商用車部門と独子会社MAN、スカニアの3者による商用車連合の実現を目指してきたが、スカニア側の抵抗で思うように進まないことから、今回のTOBに乗り出した。全株式の90%超を確保したうえでスクイーズアウト(少数株主排除)の権利を行使し、スカニアを100%子会社化する意向だ。

一方、VWが29日に発表した2014年1~3月期(第1四半期)決算の純利益は24億6,800万ユーロとなり、前年同期から26.8%増加した。欧州市場が回復に転じたことが大きく、営業利益も21.8%増の28億5,500万ユーロに拡大した。売上高は2.7%増の478億3,100万ユーロ。