欧州電機大手のフィリップス(オランダ)は4月28日、音響機器部門を米楽器大手のギブソン・ブランズに売却することで合意したと発表した。経営資源を医療機器、照明、白物家電事業に絞り込む戦略に沿った措置で、取引価格は1億3,500万ドル。このほかフィリップスは、少なくとも7年間にわたってブランド使用料を受け取る。
フィリップスは家電事業を縮小し、照明、医療機器やコーヒーメーカー、電気カミソリなど急成長している一部の家電事業に集中する戦略を進めており、テレビ事業は2011年に台湾の冠捷科技(TPV)との合弁に移管。音響機器事業は船井電機に譲渡することで13年1月に合意したが、10月に破棄し、これを不服とする船井が国際商業会議所に仲裁を申し立てている。
ギターで知られるギブソンは、音響分野で主導的なメーカーになることを目指しており、その一環として今回の買収に踏み切った。同社はオンキヨーに資本参加しているほか、昨年はティアックを傘下に収めた。