欧州委員会動向、EU域内産業・サービス・政策をウオッチ

2015/3/30

総合 – 欧州経済ニュース

ハンガリー、核燃料供給問題でユーラトムと合意

この記事の要約

ハンガリーの原発増設計画をめぐり、同国がロシア原子力公社(ロスアトム)と結んだ核燃料供給契約にEUが懸念を示している問題で、ハンガリー政府は25日、ロスアトムによる燃料供給期間を当初計画より短縮する妥協案で合意したと発表 […]

ハンガリーの原発増設計画をめぐり、同国がロシア原子力公社(ロスアトム)と結んだ核燃料供給契約にEUが懸念を示している問題で、ハンガリー政府は25日、ロスアトムによる燃料供給期間を当初計画より短縮する妥協案で合意したと発表した。

ハンガリーとロシアは昨年1月、ブタペストの南方約100キロにあるパクシュ原子力発電所に新たに2基の原子炉を建設することで合意した。ロシア政府はハンガリーに対し、プロジェクト費用として最大100億ユーロを融資。ロスアトムが設置工事のほか核燃料供給、廃棄物処理、保守業務も合わせて手がける。EU加盟国が核燃料供給契約を結んだ場合、欧州原子力共同体(ユーラトム)の承認を受ける必要がある。しかし、ユーラトムは契約について、ロスアトムがパクシュ原発に独占的に燃料を供給するという内容であることに懸念を表明し、ロスアトム以外の業者も燃料を供給することができるよう契約を見直すよう要請していた。

AFP通信が伝えたところによると、ハンガリーのコバチ政府報道官は、当初の契約ではロスアトムによる燃料供給期間を20年間としていたのを10年に短縮することで合意したと説明。「ハンガリー、ユーラトム、ロシアの全ての当事者に受け入れられる合意に達した」と述べた。この合意は欧州委員会の承認を必要とするが、同報道官は数週間以内に承認が得られる見通しだと語った。

パクシュ原発の増設計画をめぐっては、国家補助や公共入札に関するEUの規定に違反している疑いがあるとして欧州委が調査を進めている。コバチ報道官はこれらの問題についても「協議中だ」と述べた。